2010年7月30日金曜日

D論発表会 in July

一昨日あった季節外れのPhD defenceに顔を出しました。この日は残念ながら同じ時間に九大の数理生態のD1のT木くんのセミナーもかぶってたのですが、迷いながらもD論の方を聞きに行くことにしました。

内容は体サイズの類似した同属2種のコノハズクのニッチの違いについて。普通は同属の場合は体サイズに違いが出る事例が多いらしいのですが、沖縄では体サイズの類似した2種が同所的に生育しており、他の生態ニッチが異なることで共存できているという話。餌資源、営巣時期、営巣樹洞選択などのニッチの違いを各章に分けて話をしていましたが、ストーリ-全体からみると、基盤にあるのは餌資源に対する違いだけのように聞こえました。2種間にgeneralistとspecialistという違いがあるから、generalistは捕食の危険を避けるように営巣時期を早め、specialistは捕食圧を受けながらも餌資源である直翅目の生活史にあうように営巣時期を適応している。その結果、営巣時期が早いgeneralistはより大きな樹洞を選択することができる(体サイズもこちらの方が比較的大きいらしい)。一方、捕食圧の強いspecialistは残された比較的小さな樹洞の中でもより高い位置にあるものを選択する。ということだと勝手に理解しました。各ニッチ(?)を別々に説明していたのですが、餌資源のgeneralist, specialistという2軸を柱にまとめれるけど、そうすると結局1章分にしかならないから、3章に分けたのかもしれません。結局、より詳しい話は、2種がどのような地理的変異を示すのかということと進化的な背景を見てみないと説明できなさそう。

動物の研究は野外調査の難しさが問題だなぁ、と思いました。内容はすごく面白かったし、分かりやすかったです。厳しいことを言えば、背景で説明されていた世界各国で観察されている同属で体サイズが違うものやそうでないものの違いと今回の結果の考察が必要だったと思いました。ちょっと尻切れトンボ的な終わり方だったように思います。

あと半年で私もあの場所に立つのかぁ(立てるのか??)、と思いながら聞いていました。改めて感じたのがD論の話はやっぱり面白いということ。もっと色んな研究発表を聞きたいと思いました。

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